季節の向こうに未知が見える

読んだだけでは終わらない、本がある。2週間ほど前に、人を行動に駆り立てる本をいただいた。タイトルは「季節の向こうに未知(なにか)が見える」(幻冬舎、2020年10月発行)、著者はスキージャンプの事故で頚椎を骨折し、四肢麻痺になった林克さんである。本人の自伝的小説だ。

著者は私と同じ新潟県人、随所に知っている地名、施設名、彼を支え信仰と結婚に導いたS牧師の名前まで出てくる。著者は現在、新潟リハビリテーション大学で学生を教える傍ら、言語聴覚士の仕事をし、高次脳障害の研究もしておられる。読後、出版社を通して、高次脳障害で苦しむ友人の援助のために手紙を出したところ、すぐに対応してくださり、貴重なアドバイスをいただいた。

この本のことを祈り会で話したとき、丘の上のK兄が、新潟赴任中の時には、著者夫妻と家族ぐるみで交わりを持っていたとのこと。S先生によれば、本人は大変控えめで表に出ることはあまりないが、素晴らしい証しをしてくれていると言われる。心動かされるだけでなく、読んだ人の行動を変えさせる、良書である。また、正面からキリスト教を出していないので、かえって良い証しとなっている。夏炉冬扇を長年発信し、当教会でもご存じの方の多い香田寛美さんが、著者も感動するほどの素晴らしい書評を書いてくださったので、アップさせていただいた。

秋の夜長、本書を手にすることによって、新しい未知(なにか)が見えてくるのではないだろうか。

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